70年目の終戦記念日 | 古材屋の温故知新

70年目の終戦記念日

今年の8月15日は70年目の終戦記念日となりました。
敗戦からもう70年も経過して、
先の大戦は遠い過去の出来事になりつつあります。
平成生まれの若者が増えるにつれ、戦争の記憶や事実は風化していくようです。

今年は終戦70年目になるため、参拝者数は例年に比べて増えるのではないか、と予想していました。
参拝者数は予想通り増加していて、今年は約19万人で、昨年の約17万人に比べて2万人増えていました(靖国神社発表)。
炎天下に約19万人もの人が都心に集まるのですからたいしたものです。
 
今年の参拝者数は昨年に比べて1割程度の増加でしたが、終戦の日に靖国神社に出かける参拝者数は年々増加しています。

戦争体験者は年々亡くなられ、戦友や戦死した兄弟のために参拝される高齢者は確実に減少しています。
しかし、実際には終戦の日の参拝者数は増加しているのです。
戦後生まれの若者の参拝が増えるのは、北朝鮮や尖閣列島などの問題が表立ってきて、
日本が有事に巻き込まれることが現実的になってきたからではないかと思われます。



今年の春から注目されていたのは安倍首相の談話でした。
終戦50年目には村山談話が、60年目には小泉談話が発表されました。
今年は終戦70年目となり、安倍首相による談話の発表が予定されていました。マ
スコミなどからは、談話がどのような内容になるかあれこれと詮議されていました。

また、韓国、中国の外交筋からは、談話に盛り込む歴史認識の文言について強い要求がありました。
これらの要求の都度、安倍首相は「先人の談話を引き継ぐ」という曖昧な回答でかわしてきました。
しかし、安倍首相の性格からすれば、
従来の談話からは大きく離れた内容になるのではなかろうか、と予測されていました。
 
安倍談話は8月14日に発表されましたが、
意外にも「反省、おわび、侵略」などの従前の談話に使われた単語をほぼ取り入れた柔らかい内容となっていました。
国内の諸政党や東南アジア諸国に配慮しなければならないため、安倍首相は持論を抑えてこのような表現にしたのでしょう。
諸外国(といっても、関心があるのは韓国と中国だけなのですが)から要求のあった単語を盛り込んであるためか、
海外からは大きな反発はなかったようです。
しかし、主語が無い文章もみられ、どのように解釈していくか、はこれからの課題になるでしょう。
 
こうして、安倍談話が発表されたのですが、
我々国民にとって最大の幸運は70年の節目が安倍政権の時期と重なっていたことです。
もし、70年の節目の年に民主党の鳩山由紀夫氏が首相を務めていたらどうなっていたでしょうか。
「宇宙人」と評される鳩山元首相が談話を発表したら、
「友愛の精神」による談話となり、国内外に大変なことになっていたでしょうね。